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フランスの新しい大統領と、文化政策
2012.05.17 Thursday
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フランスは17年ぶりに社会党のオランドが新大統領となりました。
今回のフランス大統領選は、兎にも角にも経済政策ばかりが議論の的となっており(ユーロ危機がそれだけ深刻だということでしょうが)、日本でも経済政策に焦点を絞った議論だけがメディアを通して伝わっているように思えます。わずかとはいえ、ほとんどの個人資産をユーロで持っているわたしとしては、それもとっても大事なことなのですが、個人的にはどれだけ芸術に理解のある大統領なのか、というのが気になってしまいます。
わたしが初めてフランスに行った頃はミッテラン大統領下、日本の政治もフランスの政治も何も知らないお子ちゃまながら思ったのは、「なんて文化芸術に優しい国なんだろう」でした。今思えば、ミッテラン政権下とは言っても、後半は首相が右で大統領が左という所謂コアビタシオンの時代でしたし、フランス社会党はそもそもかなり中道に近い左派なので、それほどラディカルさはなかったのでしょうが、単純に「左翼は文化・芸術に優しい政党」と思っていたのです。
当時バブルだった日本では、お金さえ払えば一流のオペラの引越公演も観られるし、名画も日本に入ってきていましたが、とにかく何でも高かったのでした。一方フランスはというと、日曜日に入ればルーブル美術館は無料、外国人であろうと学割はコンサートでも劇場でも割引、フランス・フランも当時安かったのですが、まさか一流のパリ・オペラ座の公演が天井桟敷とはいえ1000円もしないで観られたり、コメディーフランセーズでの一流のお芝居が500円くらいで観られるだなんて、夢のようでしたね・・・日本ではちょっとした観劇で万札がひらひら出て行く時代でした。
ミッテランの文化政策は、所謂「グラン・プロジェ」と呼ばれるものが、下記の通り。
*グラン・ルーヴル(ルーブル宮には、当時、経財省のオフィスなどがあったりして、すべてが美術館の敷地ではなかった。ルーブル宮をすべて美術館とする大改造計画で、ピラミッドもその一つ)
*バスティーユの新オペラ座
*新国立図書館
*グランド・アルシュ(新凱旋門、ラ・デファンス)


そして、ミッテラン政権下のジャック・ラング文化大臣は、国家として支援する文化を、高級な文化だけではなく大衆の文化にまで広げたことで、「社会党は庶民文化の見方だ」感を市民に植え付けるのには成功したように思えます。
「たかが娯楽」扱いされていた、ポピュラー音楽、漫画などにも積極的で、夏至の日の「音楽の日」や、アングレームの国際漫画フェスティヴァルなどを創設したのでした。また社会党は文化に対しても脱中央集権化をめざし、地方にもどんどん文化施設を広げ、アマチュアの文化活動にまで手を差し伸べる政策。(大学オケでも、パリ市と文化省から助成金をもらっていたように記憶しています。)フランス社会党的には、サーカスも人形劇も「芸術文化」ですから、オペラだけでなくオペレッタも、クラシック音楽だけでなくポップスやロックにも、国の予算を使っていたのです。
お金が潤沢にある時期であれば、こういった政策も国の活性化につながって、国民もハッピーなのですが、さすがにこの1980年代の社会党の文化政策を、国庫が赤字の大不況下で行うわけにはいきません、すでにこの80年代のミッテランの文化政策も90年代後半からはどんどん見直され、例えば毎週日曜日が無料だった国立美術館の無料入館日は「月1回の無料」にとっくに変わっています。
もはや2012年の今日の社会党に、芸術文化保護政策をそれほど期待しているわけでもないのですが、それでもかろうじて芸術で食べている国、フランスとしては、その行方が気になるところです。さあて、新しい文化広報大臣も決まったようで、どうなることかな・・・。
- Posted by: ショップオーナー:河合恵美 | フランスの生活 | 23:27 | comments(2) | -
CocoRococo 〜フランスから、骨董・アンティークのおはなし〜
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ブログを書くということ
2012.05.11 Friday
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このブログを書き始めて、1年半ほど経過しています。
そもそも当初の目的は、アンティーク商品を販売しているネットショップCocoRococoのSEO対策として、でした。SEO対策とは、ホームページ、ネットショップ等を運営されている方にはおなじみの言葉だと思いますが、簡単に言うと、如何に検索エンジンで上位に示されるか、ということ。
例えば、わたしのネットショップのURLは、「フランス 骨董」と入れてGoogleで検索すれば、有り難いことにある時期から1ページ目に表示されるようになりました。
しかし、「フランス アンティーク」では10ページ以内にも入りません。検索ロボットは左上の文字から取り込んで行く癖があるようですので、「骨董・アンティーク」と書いていても、実際は「骨董」の文字しか拾ってくれていないのかもしれません。
全く知らない人からアクセスしてもらうには、ある特化したキーワードで検索して、少なくとも数ページ以内に入らないと、そのサイトは存在しないも同然となります。
そのための対策としてのツールは山ほどありますが、その1つにブログが有効だ、というのが定説でした。(そしてそのブログに、検索されたいキーワードを埋め込む術などもありますが、やり過ぎると、これもペナルティとなるので、なかなか難しいところです。)
有名人が自分を発信する手段としてスタートしたブログ、だんだんと市井の人々が、自分の生活を表現する場となっていくにつれ、あんな露出狂みたいなこと、よくみんなやっているなあ、自分は絶対にやりたくない、と思っていたのですが、独自ドメインのネットショップの運営のためには多少の露出も止むなし、と思い、とりあえずスタートしてみたのです。
始めた当初は友人・知人らに読んでもらっていたのが、だんだんと面識のない方からも(たぶん)アクセスして頂けるようになり、それはそれで有り難いのですが、どうやらネットショップのSEO対策にはあまり役に立っていないようで、ショップへ誘導する率がかなり低いことがアクセス解析でわかりました。
そして、アクセス解析をしていくうちに、面白い・・・というか、愕然としたことがわかったのです。
つまり、このブログのURLを知っていて、最初からアクセスして読んで下さる方以外に、どんなキーワードを入れて検索して、このブログに辿り着いてくれたか、を調べてみると・・・
この1週間だけに絞って、検索キーワードを解析してみたところ、多い順に
「フランス人のにおい」
「18世紀 フランス 臭い」
「パリ 食事 おいしくない」
「フランス人 公衆道徳」
「フランスのトイレ事情」
「フランス 料理 まずい」
「エルメス アンティーク」
「ドビュッシー展」
「フランス トイレットペーパー」
「フランス 個人主義」
「フランス 骨董市」
となっていました!
こう見ると、なんだかフランスの社会問題に特化して書いているブログのようで、これではショップへ誘導できないわけですね。
というわけで、今後のブログのテーマについて、どうしたものか思案中です。
何かよいアイデアがないでしょうかしら・・・。
- Posted by: ショップオーナー:河合恵美 | その他 | 19:29 | comments(3) | -
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ムンクの「叫び」と、美術オークションの手数料
2012.05.08 Tuesday
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今年5月2日、ニューヨークのサザビーズにて、ムンクの代表作「叫び」が史上最高価格にて落札されました。

落札価格は96億円・・・と報道されていますが、
サザビースでの落札価格(ハンマープライス)が107 000 000 $ と公表されていて、
手数料を入れた合計価格が119 922 500 $と公表されていましたので、単純にその差額が手数料(buyer's premium)だとすると、
手数料は、12 922 500 $ ということのようです。
ここでわたしが思ったのは、「手数料の割合は、意外と安いんだな」ということ。ハンマープライスに対して、12%強くらいです。まあそもそもがものすごいお値段なので、この手数料だって絶対値としてはものすごい額なのですが、永年、税金やら付加価値税やらの高い国・フランスに住んでいたので、「あの」サザビーズならアメリカでも30%くらい取るんだろうと思っていました。
パリでわたしが参加していたオークションは、美術品というよりは、工芸品のガラクタ的なものばかりでしたが、SVVと呼ばれる、自由競売会社の手数料がだいたい25%前後、裁判所が行う裁判競売で15%弱。パリ郊外もほとんど変わらず、地方へ行けば若干手数料が安いかな、という感じ。参加したことはないのですが、一流オークション会社のサザビーズ、クリスティーズのクラスになれば30%近く取ってる、というのがパリでオークションに参加している同僚たちとの間での定説でした。
あらためて、フランスの代表的なオークション会社の手数料をカタログで見てみると、
--- CAMARD ---
20% + TVA(付加価値税19,6%)で、23,922%
--- PIASA ---
20% + TVA(付加価値税19,6%)で、23,92% (350 000ユーロまで)
12% + TVA(付加価値税19,6%)で、14,352% (350 000ユーロ以上)
--- TAJAN ---
23% + TVA (20 000ユーロまで)
20% + TVA (20 001~ 600 000ユーロ)
12% + TVA (600 000ユーロを越す場合)
--- MASSOL ---
20,9% + TVA で、25%(1~500 000ユーロ)
15,05% + TVA で18% (500 000ユーロを超す場合)
欧州はとにかく日本の消費税に相当する付加価値税が20%前後と高いので(骨董・古美術品でもかかる。ただしフランスの場合、古書のみ5,5%と減税)、こういった手数料も高いのですが、こうして見ると、一定額以下のものに対しての手数料が高いのであって、ある数字を超せば、下がる仕組みになっているのですね。
そもそもその一定額を越す作品のオークションに参加することはないので、やはり高いなぁ、という印象は免れ得ないのですが・・・。 - Posted by: ショップオーナー:河合恵美 | オークション | 18:47 | comments(1) | -
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春祭り〜ブローニュの森、jardin d'acclimatationにて〜
2012.05.02 Wednesday
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4月7日より5月8日までの間、パリ・ブローニュの森の、アクリマタシオン庭園にて、日本の春祭りが開催されています。

3月のパリはまるで初夏のような陽気だったと聞きますが、4月は打って変わって雨、雨、雨。こういう屋外でのイヴェントはお天気商売的なところがありますので、とにもかくにもお天気に恵まれないと、悲しい日になってしまいます。
わたしが訪れた日は、雨こそ降っていなかったものの、強い風が吹き、空は雲のオンパレード。日本舞踊の舞台も、お客さんはほとんどなくって、本当に気の毒。
海外での「日本文化の紹介」に関して、わたしは10年以上にわたってパリ日本文化会館というところで働いてきたものの、何をどういう形で表現するのがよいのか、実は全然わかっていません。そもそもある国の人の日本に関する知識に差がありすぎて、どのレベルに焦点を当ててよいのかがさっぱりわからないのです。
絵画で言えば黒田清輝を知っている人もいれば、日本の絵画はすべて春画だと思っている人もいるし、食べ物で言えば、パリの日本人板前が握るお寿司屋さんのカウンターで「シャケの皮を焼いたのを巻いてよ」と頼んでいるほどの通な人もいれば、中国人経営の怪しい寿司屋で、サーモンとまぐろだけの握りもどきの寿司を「おかず」に、白米のご飯に醤油をかけて食べている人もいます。
もしもわたしが主催者であるならば、日本では少なくとも大人はやっていない「折り紙」を、日本文化の代表として紹介するのはそろそろやめましょうよ、というのは、あります。
かといって、コスプレやメイドカフェのような、ごく一部の文化形態を、まるで現代の代表文化のように紹介するのもどうでしょう・・・この問題は根が深いので、深い考察はまたの機会に。
さて、今週はわたしのビジネス・パートナーでもある友人のArtMemo(新版画の販売)のスタンド(ZONE E 32)も出展しています。

パリにいらっしゃる方は、訪れて下さると嬉しいです。
- Posted by: ショップオーナー:河合恵美 | パリ | 01:16 | comments(2) | -
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パリの展覧会、あれこれ
2012.04.25 Wednesday
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パリにいて、「芸術の街」とよく言われることの1つに、行われている展覧会の多さと、その質の高さが挙げられると思います。しかも、それらを知るには、特別の努力も何もしなくて、ただ街を歩く、あるいはメトロに乗る、ラジオを何気なく聞いている・・・ただそれだけで、全くの受け身状態にしていても、巨大なポスターやら、お知らせが自然とインプットされてしまいます。
日本でも東京などの大都市では、海外主要都市に負けない展覧会をやっているのですが、ただ普通にのほほ〜ん、と暮らしていると、情報をキャッチし損ねて、知った時には既に会期が終わっているとか、全く素通りしてしまっていた、ということがよくあります。これだけの情報社会、情報都市と言われていながら、かなり能動的に自ら情報をキャッチするために動かないといけないのです。
今回のパリ滞在中、特に下調べをしたわけでも、何かの展覧会に積極的に焦点を当てたわけでもないのに、結果としてかなり色々なものを見る事ができました。
前回ブログに書いたドビュッシー展以外には、
オルセー美術館での、ドガ展
リュクサンブール美術館での、チーマ展
ポンピドーセンターでのマチス展
Matisse. Paires et séries - du 7 mars au 18 juin... 投稿者 centrepompidou
パリ市庁舎でのドワノー展
などを鑑賞することができました。
ドガ展はオルセー美術館の入館そのものに30分待ち、チーマ展(Cima da Conegliano, 1459-1517)は知られていない上に(実はわたしも知らなかった。ヴェネツィア派の画家)会期の最初で、第一回大統領選挙日だったせいか、ガラガラの待ち時間ゼロ。
マチス展も人気ながら、ポンピドーセンターは23時までの開館で、わざと大統領選の速報ニュースが流れる20時、ほとんどのフランス人がTVの前に釘付けの時間帯に行ったところ、これも待ち時間ゼロで入れました。
ドワノー展は最終週とあって連日長蛇の列が1時間半待ちの標識を越す場所にまでできていて、諦めていたところ、「わたしが並んでてあげるから、列が30分前の標識になったら電話してあげる、そうしたらおいで」と仏様のような友人のおかげで、無事入ることができました。
パリも昨今のインフレで、そう安くもない入館料になりましたが、それでも、ふら〜っとやってきて、これだけ短い滞在期間に、たっぷりと展覧会をいくつも鑑賞できる、という点では、まだまだ芸術の街の冠は生きているなぁ、と思ったのでした。
- Posted by: ショップオーナー:河合恵美 | 美術展・美術館 | 01:59 | comments(0) | -
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